「けいおん」が空前の人気だそうですね。

高校生の女の子4人が軽音楽部に入ってゆるゆるほのぼのお茶を飲みながらバンド活動をする、というなんだかそれって面白いの?と聞きたくなるようなお話し。何やら作中に出てくるギターやらティーセットやら携帯電話やらが便乗で売れに売れているらしく、マーケティング的にはプロダクトプレースメントのひとつの成功例として今後のアニメコンテンツのあり方を変えるやもしれませんが、それはそれとして。
いわゆる”おたくアニメ”。目のクリッとした絵柄の女の子キャラに大の大人が萌え〜とか楽しむアレです。はっきり言って一般人には理解しがたい気持ち悪さのつきまとうアレです。
とはいえ今では日本のおたくアニメは世界に冠たる文化として輸出され、おたく産業は2000億円の市場規模に成長しもはや企業としても無視できず、おたくの社会進出も進みつつあるなか、おたくの夫を持つ嫁とかおたくの部下を持つ上司とか、彼らとのコミュニケーションも切実な問題として噴出してきている昨今であります。”おたくアニメ”だからと言ってはなから拒絶して切って捨てる前に、現代人が備えるべき教養として一度は見ておくべき時代になったのかもしれません。というか僕は見ました。
現代人が教養として押さえておくべき近年の”おたくアニメ”の代表作(を僕が選定してよいのか分かりませんが)をいくつか。
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「涼宮ハルヒの憂鬱」 2006年

エヴァンゲリオン以降の”キング of おたくアニメ”といえばやはりこの作品が挙げられるのかもしれません。
正直ドン引きするくらいエキセントリックな女子高生の涼宮ハルヒが、主人公の男子高校生キョンとともに、宇宙人や未来人、超能力者を探し出して一緒に遊ぶためのクラブを結成することから物語が始まるいわゆるSFパロディ。それぞれキャラの立ったかわいい女の子たちに囲まれた主体性のない男子主人公が学園内の部室という閉鎖的なコミュニティでゆるゆる過ごしつついろいろな出来事に巻き込まれて行く学園ストーリーでもある。
元々はライトノベルが原作らしいですが、アニメ化するにあたって物語の順番がランダムに入れ替えられたらしく、そういう前提が分からないとかなり混乱します。そしてやはり最初は何が面白いのかさっぱり分からず一般人には苦痛かもしれません。が、最後まで見るとそれは実は壮大なラブストーリーだったことが判明して涙。二巡目にはいろいろなところに伏線が張られていたことが分かり、三巡目でようやく落ち着いて楽しめる、そんな作品でしょうか。最近はまた新シリーズを放映してるらしいです。
おたくはどのようにこの作品を楽しむのか、というと、やはり女の子キャラに萌え〜らしいのですよえぇ。宇宙から来た無口系アンドロイド少女の長門有希というサブキャラが一番人気だとか。どこかしらエヴァンゲリオンの綾波レイを思い起こさせますね。僕としてはハルヒのエキセントリックさのほうに魅せられますが。
↓長門有希

YouTube: The Melancholy of Haruhi Suzumiya – Episode 2 – Part 1 of 3
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「らき☆すた」2007年

元は4コマ漫画が原作なんだとか、女子高生4人の何気ない日常の会話や内輪のやり取りがたんたんと展開されていくだけのゆる〜いアニメ。”サザエさん”的であるといえばそうかもしれない。
各シーンにオチがないのでどこで笑えばいいのか、そもそも笑うべきなのかも分からず、キャラの見た目も似通っていることから、初見ではまったく意味が分からず混乱すること必定。さらには主人公のこなたはオタクという設定でもあり、コミケに通ったりオンラインゲームにはまったりとそういうオタク要素がふんだんに盛り込まれ、マニアックなパロディも頻出することから難易度もかなり高い。上述の「涼宮ハルヒの憂鬱」のパロディも登場するので、やはりそちらを先に見た方がよいか。
が、しばらく我慢して見続けているとなんとなくキャラの魅力に引き込まれ、やがてはその一挙手一投足に目が離せなくなってくるという麻薬性を持つ。
おたくの中での一番人気は”かがみ”というツンデレキャラらしい。このキャラは鷲宮神社の娘という設定なことから、実際にオタクが巡礼と称して神社に大挙して押し寄せるという社会問題にまで発展した。僕としてはやはり主人公のこなたのオタク趣味っぷりのほうが見逃せないんですけどね。。。
↓かがみ

現代おたくアニメを語るうえでやはり見逃せない作品ではなかろうか。
YouTube: lucky Star 1 -1/3
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「ローゼンメイデン」 2004年

麻生太郎首相が成田空港でこの作品のマンガを読んでいたことが目撃されたとかなんとか、一国の首相たる人物が愛読するほどの名作なのかどうなのか、それがきっかけで麻生さんはアキバ系の熱烈な支持を獲得するに至ったわけですがそれはさておき。
引きこもり中学生の主人公のもとにひょんなことから現れた人形である”ローゼンメイデン”。様々な少女の人形と一緒に暮らしたり戦ったりしつつ、彼女らとの交流を通して主人公は自立していくというお話し。人形の衣装がとてもかわいらしく凝った作りをしており少女向けの作品かとも見まがうがれっきとした”おたくアニメ”。
おたく的なパロディだとか難解な要素は登場しないので、絵柄や設定の違和感さえ克服すれば一般人でもすんなり入っていけるかもしれません。首相が読むくらいですからね!しかしやはり少女のお人形さんと戯れるひきこもり男子中学生という設定は受け付け難いわけですが。。。
ちなみに一番人気は”翠星石”というわがまま系ツンデレキャラ(人形)だとか。僕としてはやはりメインヒロインの真紅の背伸び上から目線のほうが愛らしいと思うんですけどね。
↓翠星石

YouTube: 薔薇乙女-Rosen Maiden トロイメント OP
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「コードギアス 反逆のルルーシュ」2007年

やはりオタクアニメといえば美少女だけでなくロボットも欠かせません!
時は近未来、主人公のルルーシュは名門アッシュフォード学園に通い美少女に囲まれた学生生活を送る普通の男子。でもその正体は、日本を占領統治する神聖ブリタニア帝国の王子様。謎の少女C.C.と出会い超能力を身につけたルルーシュは、体の不自由な妹の暮らしやすい世の中を実現するために父親の帝国を打倒せんと立ち上がり日本の独立を目指すテロ集団「黒の騎士団」を結成する。登場人物や設定からはアーサー王物語がベースになっているようでもある。
1話のなかで事態が二転三転する先の読めないテンポの早いストーリーで、さながらアメリカ系ドラマのようなスピード感のある展開はなかなかお見事。ていうかあまりに早すぎてちょっと見逃すと話についていけなくなります。重要な登場人物も何人も死んでしまうだけでなく、あっというような予想だにしない展開に惹き込まれます。ガンダムやエヴァなんかのロボット系アニメを見ている人であればこちらのほうが違和感なく楽しめるかもしれない。でもやはり絵柄は受け付け難いタッチなんですよね。。。
女性(あっち系の)もターゲットにしていることから、主人公やライバルは美形男子として描かれている。
↓C.C. (シーツーと読む)

YouTube: Code Geass Sub Español [Capítulo 1, parte 1/3]
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「ひぐらしのなく頃に」2006年

元々は同人ゲームが原作らしい。飛騨白川郷をモデルにした雛見沢村という架空の村を舞台に、登場人物の少女たちとともに仲良く平穏な学生生活を送る主人公が奇怪な事件に巻き込まれていく猟奇的サスペンション・ミステリー。
シリーズとしてはそれぞれの少女をメインキャラに立てた複数の物語が存在し、それらは時系列ではなくパラレルワールドのように構成され、ハッピーエンドだったりバッドエンドだったりする。ようするに複数の結末があるゲームのようなものか。そのパラレルの謎ものちに明かされることになるとかなんとか。
ここでもやはり一人の男子主人公をとりまく複数の美少女キャラという設定ですかあぁそうですか。都合がいいというかなんというか、まぁいいですけどね。でも物語としてはサスペンスですから、そういう要素を除いてみれば入りやすい作品でもあるでしょう。ていうかそんな美少女たちが鉈を振り回して襲ってきたり、主人公を縛って拷問にかけて殺害しようとするわけで、そこが見所のひとつでもあります。
実際の中学生がこの作品に影響されて (かもしれない?) 事件を起こした例なんかもあったりして、その猟奇性がとりざたされたりもする問題作。
YouTube: Higurashi no naku koro ni ger-sub episode 1 part 1/3
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「ケロロ軍曹」 2004年

地球を侵略しに来た宇宙人ケロロ軍曹とその部隊の仲間たちが、地球人の主人公冬樹とその姉夏美に捕獲されドタバタの同居生活を送るという、いわゆるドラえもん的なテンプレートで展開するギャグアニメ。
絵柄としては一般人にはもっとも拒絶感の少ないコミカルなタッチでわりと受け入れやすいかもしれません。が、話の中にはふんだんにオタク要素のパロディが頻出し、はっきり言って理解しがたいレベルのものもかなりありそこは読解力が問われるが、ケロロをはじめとしたキャラも女性受けするかわいい造形なので全体的にはビギナーが入りやすい作品ではないだろうか。
ややこしいことに前述の「らき☆すた」ではケロロ軍曹のパロディも頻出する。
YouTube: Keroro Episode 1 (part 1 of 3)
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これらを見た上で、総論として”おたくアニメ”は一般人でも楽しめる要素はそれなりにあるのだと思えないこともないかもしれなかったり。代表作と言われるレベルのものは、萌え〜という観点だけでなくとも楽しめるものになっているのでしょう。オタクにとってのご都合主義的な世界観や設定、美少女キャラの造形や人格なんかは、ひとまず目をつぶって。。。
でも三次元より二次元のほうがイイ!とまでは言いませんが、二次元には二次元の良さがある、というのは理解できたつもりであります。あれ、ヤバい?
オタクな人種とのコミュニケーションの材料としては、やはり「ハルヒ」と「らき☆すた」を見ておくのが投資対効果が高いかもしれません。しかしその両作は難易度が高いのも事実。むしろその面白さは何なのかを彼らに聞いてみるのもコミュニケーションのきっかけとしていいのではないでしょうか。ウザイくらい嬉々として語ってくれることでしょう。