アーカイブ

Posts Tagged ‘Adrenaline’

雪中暖眠

昨年はじめた冬山での一番の反省点は、夜眠るときにとにかく寒い!ということ。日も没して雪の降りしきる暗闇のなかでありったけの服を着込んでシュラフを被りじわじわと突き刺すような寒さに耐えながらただひたすら朝が来るのを待ちわびるのは本当に心細く底深い孤独を感じるひととき(それがまたよかったりするのだがw)。

というわけで今季は、とにかく第一のテーマとして暖眠することを掲げていろいろと準備をしてきた。

寒さ対策のコンセプトとしては、「保温」「断熱」「補熱」「血行促進」「利尿防止」の五つを念頭においた。

(1) 保温

まずはやはりシュラフの強化、ということで購入したのがGoLite Adrenaline 0°。昨年使用のU.L.SSダウンハガー#1と比べてもダウン量は300g以上増えたことになる。こいつは頼もしい。

IMG_0120.JPG

それに加えて、PatagoniaのダウンセーターとTNFのテントシューズを着込むことで保温を調節する。

84672_491.jpg 10728759.jpg

交感神経があることから特に寒さに弱いという首周り対策にバラクラバも調達。ORのNINJACLAVA

OR-NINJACLAVA.jpg

履いたまま眠ったROCKYゴアソックスはVapor Barrier効果もあったかもしれない。

688268Lrg.jpg

(2) 断熱

断熱と言えばスリーピングマット周り。ここはモンベルの定番ULコンフォートシステムパッド90に加えて、宇宙航空断熱素材というふれこみのリフレクティクスを半身用に切って投入した。こいつはただの銀マットではないらしく、そもそも熱の伝達形態には「伝導」「対流」「輻射」の3つがあるらしくって、スリーピングパッド本来の目的は背中に接している地面からの熱伝導を防ぐための”断熱”効果なのだが、リフレクティクスはそれに加えて体から発せられる赤外線(輻射熱)を跳ね返すという、いわゆる”遮熱”効果が得られる(らしい)のだ。

1124275_456.jpg mono.jpg

(3) 補熱

身体の基礎代謝による発熱量だけでは足りない場合もありうるかもしれないのでカイロを用意。これはKAWASAKIポケットウォーマーを選定。Zippoとかハクキンと比べても小型軽量の26g!しかしオイルを含めるとけっこうかさばってしまうのが難点だな。特に寒さに弱いという背中に挟んでおくことを想定した。

080-19973-i02.jpg

(4) 血行促進

寒さに打ち勝つには血行促進を図るべし、ということでSKINSのトラベル&リカバリーを用意。これは体幹から末端に向かってだんだん着圧を緩めるような設計になっているタイツで、血行を増進して疲労回復もできるという優れもの。エコノミー症候群対策としても使われるらしい。一般的なサポートタイツみたいに膝周りのサポート機能はぜんぜんないが、逆に下半身全体のリラックス効果が得られる。今まではずっとワコールCW-Xを使っていたのだけれど、結局冬山だと着替えるのとかもめんどうでつけっぱなしで眠ることが多かったわけで、CW-Xは締め付けが強くてリラックスが得られない気がしていた。同じくSKINSの冬期モデルであるスノーでもよかったかもしれないが、とにかく一番対策が必要なのは就寝時の血行促進とリラックス効果なので、トラベル&リカバリーをチョイス。

70726f647563742f74725f6c745f626c6b5f626c752e6a70670033303000.png

さらに血行にとって一番よくないのは何よりも喫煙だ。しかも1本吸うだけで10kカロリーも消費してしまうという。生来のヘビースモーカーである僕に取って禁煙は本当に地獄の苦しみなのだが、ここは背に腹をかえられないというやつで禁煙グッズを用意。ニセモノの煙もでるというTOKYO SMOKERをスパスパやることで気を紛らわせることにした。USBで充電できるのでiPhone用の追加バッテリーとも共用できるのがうれしい。

ts_photo01.jpg

(5) 利尿防止

夜間の水分排出も控えるほうが体温を保存できるだろうということで、利尿作用のあるアルコールとカフェインを控える。とはいえ嗜好品が何もないのも辛いので、特製のノンカフェイン紅茶を用意。※しかし高山病にもなりそうな場所では逆に利尿は促進したほうがよいらしい。

IMG_0146.JPG


以上の対策プランをもって挑んだ昨日の白馬での検証結果ですが、結局、ダウンセーターを着込むこともなく、カイロを発火させることもなく、これがもう暖かくて暖かくて泣けてきてしまいました。あぁ冬山でこんなに快適に眠れるものだったのか!と(逆にものたりなさ感もありつつ)。
で、どれが一番効いたのか、実はまったく分からないw。就寝中にトイレに行くことは1回もなかった(昨年は必ず二度はトイレに出ていた)。やはりスリーピングパッドとシュラフが効いたのか?いやでもやはり禁煙じゃないかしらと思ったりもする。次回はタバコ吸ってみようかしら。

これからの厳冬期にもっと高度もあげて気温が下がっても快適かどうか、追加検証も必要だな。

GoLite Adrenaline 0°

昨シーズンにはじめた冬山ハイクに先立って購入したモンベルのU.L.SSダウンハガー#1。本来なら#0のほうが安心なのだけれどできるだけ重い物は背負いたくないという欲目から重量が1.06kgで冬も使えるということでこいつに決めたのだが、やはり寒い。1月、2月に2,200-300mくらいのところで使ってたのだけれど腰の辺りからじわじわと突き刺すような寒気が立ち上がってくる。まぁマットを厚くしろという話もあるが。

そして先日の北岳で、このときは軽量夏用シュラフのイスカAir280を使ったのだけれど、夜凍えて寒さに打ちのめされて翌日もふらふらになって辛うじて下山。この寒さというやつは、多少我慢して寝ることはできても、確実に体力を奪って行くのだということを認識。

暖かく寝るということがいかに重要か身にしみて思い知ったところで、さて今シーズンの冬山。もはや#1では恐怖すら覚えてしまうようになってしまった。軽量化なんて二の次だ。冬の3,000mでも暖かく安眠するのだ!ということでシュラフの新調。

検討したのは以下。

(1) モンベル U.L.SSダウンハガー#0 / 1.30kg / 800FP / Fill weight 794g / 47,800 Yen

200810262214.jpg

(2) The North Face Hightail / 910g / 850FP / Fill weight 565g / 50,400 Yen

200810262214.jpg

(3) ISUKA AIR 810 EX / 1.18kg / 750FP / Fill weight 810g / 39,900 Yen

200810262215.jpg

(4) NANGA ナノバッグ 720SPDX / 1.13kg / 860FP / Fill weight 720g / 64,470 Yen

200810262215.jpg

(5) Mountain Hardware ファントム 0 / 1.19kg / 800FP / Fill weight 803g / 58,800 Yen

200810262216.jpg

(6) Marmot Lithium Reg / 1.25kg / 850FP / Fill weight 794g / $449

200810262216.jpg

(7) GoLite Adrenaline 0° / 1.25kg / 800FP / Fill weight 880g / $400

200810262217.jpg

まぁどれも一長一短ある。メーカー公称の適応温度とかはイマイチ基準が統一されていないので、重量、フィルパワー、ダウン量とあとは価格から検討することにした。

ダウンハガー#0は、比較してみるとあまりウルトラライトとは言えない。ていうかトータルだと一番重いしダウン対比の重量効率も良くないのでは?ていうかテント内であまり胡座とかかかないしストレッチもいらね。ということで却下。

ノースフェイスのHightailは気になったが、この保温力ではたぶん今の#1に毛が生えた程度かなと。でも軽いしかっちょいいし欲っすぃ。。。

イスカAIRは、いまさら750FPかよっ、という独断と偏見で却下。あと、NANGAはダントツにお値段が高いっしょ、これは買えんよぅ。

残るは、微妙に軽めのMHファントムと、850FPが魅力のMarmotと、ダウン量880gで重量効率のよいGoLiteだが、最終的に決定したのは、、、GoLite Adrenaline 0°!REIでポチッと購入。送料がなんと$90かかった。でも円高なのが救い。

並べたところ。左からGoLite Adrenaline 0°、モンベルU.L.SSダウンハガー#1、イスカAIR280。

IMG_0119.JPG

ダウンハガー#1(ダウン量は567g)と比べてもロフトのふくらみ具合が実に違う。ていうか、ついに三本持ちか。。。

最近は背面のダウンを少なくしたりするのが流行っているらしいが、Adrenalineは背面にもダウンはしっかり入っている。冬期は横向きに寝たほうが地面の寒気は防げるからそれもよし。

そういえば、なんか米国のBackpacker Editor’s Choice 2008という賞をいただいたらしい。

最大の特徴は、この頭周りの形状とセンタージッパー。

IMG_0120.JPG

とにかく頭部の保温力は半端ない。みっちりがっしり隙間なくダウンで固められている感じ。ドローコードも摩擦が強く決して緩まない。ていうか緩めにくい。センタージッパーも扱いやすくてGood。ジッパーを空けてシュラフを頭にかぶったり肩にかけたりしながら食事をとるとかもしやすい。欠点としてはジッパーが半分までしかないので足下の温度調節ができない点か。

空けてみたところ。

IMG_0122.JPG

ネックゲーターもちゃんとある。後ろ側が厚く、前面がやや薄くなっている。マジックテープでネックゲーターを閉じた状態でも、のど元でごそごそすると手首一本が外に出る隠し穴?があってこれがまたドローコードを引っ張ったりとかに便利だ。

このシュラフ、まだ日本ではほとんど出回っていない、というかネット上にも情報があがってないみたいですので、購入される予定の方、質問などあったらお気軽にどうぞ。

これで重量は、ダウンハガー#1の1.06kgからAdrenaline 0°の1.25kgと、190g増えたことになる。あぁウルトラライトが遠のいて行く。