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Archive for the ‘Books’ Category

ザ・チョイス

最近、書店のビジネスコーナーにめっきり行かなくなった。ここ数年で自己啓発本だらけになってしまったと感じてるのは僕だけか?「仕事ができる人の○○」とか、「必ず成功する○○」とか、そういう一個人の目先の”幸せ”とか”成功”を追い求めるテーマはやっぱ独立した自己啓発・宗教コーナーを作ってほしいよねまったく。このままだと音楽業界のようにボリュームのある底辺層をターゲットに質を落としていったあげく市場自体がシュリンクしてしまうんじゃないかと危惧しますよ。特に最近は、勝間和代?とかいう人の顔出しが多くてちょっとウンザリ気味ですよ。

で、久々に覗いてみたら「ザ・ゴール」のエリヤフ・ゴールドラットさんの新刊が出てた。「ザ・チョイス」。今度は”選択”ですか?

ザ・チョイス

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複雑なソリューションなんて、うまくいくわけがない!

明晰な思考を妨げる最大の障害は、人がものごとを複雑に考えすぎるっていうことだ。現実は複雑だと信じ込んでいる。だから、複雑な説明やソリューションを求めたがる。これは、とても厄介なことだ。

今日の企業は、高度に複雑化している。だが、複雑なシステムの中でも、本当に重要なことはいくつもない。「何が本当に重要か」を見極めることができれば、短期間に企業は著しいパフォーマンスの向上を成し遂げることができる。最新作『ザ・チョイス』で、ゴールドラット博士は、娘のエフラットとの会話を通じ、「本来、ものごとはとてもシンプルである」という、彼の信念の根本的なあり方を説明することで、あらためて深遠な思考に基づいたアプローチを提唱している。

本当に重要なポイント、数少ないわずかなポイントを探し出し、それだけに努力を集中することでシステム全体に変化を起こすことができると主張する。その方法を学ぶことで、システムの中に存在する複雑な因果関係に対しても、シンプルなロジックを用いて最小限の努力で対応できるようになる。

(ダイヤモンド社 / エリヤフ・ゴールドラット著)

この人の本はサスペンス仕立てになってるから物語自体が面白いので、ビジネス書として内容がはずれても損はない。

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脱出記 〜シベリアからインドまで歩いた男たち〜

はるか昔、中学生のときに読んで衝撃を受けた書物は、河口慧海の「西蔵旅行記」という壮絶なノンフィクションアドベンチャーだった。あれから遥かチベットという国を想い続け、学生のときに貧乏旅行で訪れたときの感動はひとしおだった。

荒涼とした極限の環境に佇む風の谷のような貧しくも清々しい村。やさしい目をした羊飼いの老人に注いでもらった馬乳酒。眼前にひろがるヒマラヤ山脈の圧倒的な量感。

その後、中国のゴビ砂漠やモンゴル、ネパール・インドにも訪れた。このあたりの乾燥地帯はどこもダイナミックな自然と深みのある人間文化が織りなし未だに僕の心を引きつけてやまないのでありますデス。

そんな僕にとってのゴールデンルートを歩いて旅したといううらやましい旅行記があるというのでお取り寄せして読んでみた。2005年に和訳されたらしいね。知らなかった。

脱出記 〜シベリアからインドまで歩いた男たち〜

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時は第二次世界大戦、ポーランド出身の主人公がソ連に連行されてシベリアの強制収容所送りにされてしまうんだけど、仲間といっしょに着の身着のままで脱出してシベリアからモンゴル、ゴビ砂漠、チベット、インドへと1年かけて走破するというとんでもないビックリツアーを敢行してしまうわけであります。

シベリアの極寒では雪の壁を作って凌ぎ、森では獣を捕らえて皮を剥ぎ、砂漠では蛇を捕獲して食べ、チベットでは遊牧民の優しさに頼り、ヒマラヤクライミングでは針金を使って登攀したり、途中あまりの悲しい出来事(これは泣いた!)や摩訶不思議な出会いもありつつ、ソ連の冷酷非道な仕打ちと、遊牧民の限りない優しさのコントラストが人間のあり方や多様性について考えさせてくれたりもします。

謎なのはなぜにインドへ向かったのかというそのルート。モンゴルに抜けたらそのまま北京か満州にでも向かえばよかったのに、魔のゴビ砂漠へ出てしまったのが運の尽きだなと。やはり砂漠は、雪原・平原・高山よりも厳しい最も過酷な環境だったようだ。

いや、これは圧倒的に面白い。えぇ、ヒロインも出てきます。オススメです。