黒タイベックビビィ / Black Tyvek Bivi
昨シーズンの冬は北アの稜線で強風の洗礼をうけた。
自立ドーム型テントでは持ちこたえられそうにない、場所を間違えばテントごと吹っ飛ばされるか少なくともポールが折れるんじゃないか、というか設営すらままならない、目があけられず呼吸ができないくらいの雪混じりの強風。そんな場所でどうすれば安全快適にビバークすることができるだろうかと考えるに、やはりビビィサックで行き倒れ的に寝るのが一番イージーで安全じゃなかろうかと思うに至ったのでした。
ということでまず手始めに、ビビィというわけじゃないけれど最軽量のスリーピングバッグカバーであるMontbellのU.L.ブリーズドライテックスリーピングバッグカバーを試してみたところ、これは雪中で二回使って二回ともひどい結露で内部がぐしょ濡れ。連泊するとシュラフが使い物にならなくなるおそれがあるため採用を断念。
Montbell U.L.ブリーズドライテックスリーピングバッグカバー
その次にMLDからSoul Bivi Side Zipを発注。Momentumという素材は防水性はないけれども撥水性があって透湿性もすこぶるよいらしいということで冬用に期待していたが、他の人からのレポートだとやはり冬場での結露は免れないらしい。
3層ゴアやe-Ventは結露には強い、らしいけど、くそ重い。
さぁどうしたものかと思いあぐねていたところ、タイベックは対結露でかなり性能がいいらしいという話。Locusのシェルターもタイベックだし、こちらの方も布団袋をビビィに応用されているのを目に付け、さっそく布団袋をお取り寄せまずはプロトタイプを作成してみた。
黒タイベックビビィ / Black Tyvek Bivi
サイズは縦220cmx横110cmのスーパーワイド仕様。標準サイズのビビィだときつくて冬用シュラフのロフトを圧迫してしまうのでかなり余裕をもたせてみた。水や靴や食料などの凍結を防止するために抱えて眠るときも大型のほうが使い勝手がよいだろう。これくらいのサイズだと中で靴下を履き替えたりちょっとした着替えも可能だ。もしかすると二人寝れるかもしれない!
自作キルトを入れてみた状態
ここまで大きいと、どうせならもうポールを通して自立仕様にしてしまいたい気分。Utopiaなんかと組み合わせてフロアシート的に使っても幸せな気がする。
というわけで重量は322g。サイズがサイズだけに最軽量とはならないが、でもギリギリ担いでもよい範囲に収まっているかな。。。
素材は布団袋から流用。黒いカラーは太陽光を吸収するのでシュラフを乾燥させるのに効果的だとか。ファスナー一式はOMMよりお取り寄せ。
両サイドのダブルジップはかなり長めにとってある。左側のジッパーは頭部のバグネットに連結し、右側のジッパーをあげると頭部を全閉する構造。屈曲する箇所の縫いつけには手間取った。
頭部には針金でフレームを入れてあるので、幕が顔に垂れ下がってくるのを防いでくれる。バグネットは吹雪のときにも役立ちそうだけれどどうだろうか?
内部にメッシュでスリーピングパッドホルダーを縫いつけ。ビビィで寝るときはいつもパッドがずれて困るので固定したかった。90cm長に合わせた。
ついでに足元にもパッドを固定できるように。
あとはクライミング用のスリングを縫いつけて、難所でも滑り落ちないようにする予定。
これで稜線上でどんなに強風が吹きつけても、ビビィの中にもぐりこんでしまえば安心安全。という目論見なんだけど、果たしてうまくいくのかどうだろうか…?
厳冬期用900FPキルト、自作
今シーズンの厳冬期は、シュラフよりも出入りが楽で重量効率もいいキルトで過ごしたいと思っていたけれども、いかんせん選択肢が少ない。というより既製品だとNunatakのArc Expeditionの一択なのだけれども$561だとさすがに円高でも手が出しにくいうえに800FP+なのでさほどのスペックでもないしオーダーしてから完成まで2ヶ月かかるらしいし…
と悩んでいたところに900FPダウン素材が入手可能なような情報を得て、もういっそ厳冬期用キルトも自作してみようと踏み切ってみた。
以下完成品。裁断、縫製、封入まで丸一日で作業はほぼ完了。
出来上がりは期待以上。軽くてムッチムチ、厳冬期3000m級でも安心のキルトが完成した。
以下、スペック
■総重量: 910g
■ダウン: 900FP White Goose Down x 650g
■生地: 0.9oz Momentum90 Fabric(両面)
■サイズ: ロング 縦190cm x 首周り140cm x フットボックス周径110cm
素材はThru-Hikerから調達。標準のQuilt Kitではダウン量が足りないので個別発注。
900FPと称するダウン素材はカナダ産のホワイトグースダウンだとか。見てみたところフェザーは混入していない。
両面のMomentum生地は、MLDがビビィ素材として”The best of the best”と言うくらいなので、軽量性、撥水、透湿性でそれなりのパフォーマンスなのだろう。表面が青、裏面を黒としてみた。
ダウンが上下に寄らないように室房を作るのだけれども、これだけの厚さになるとロフトを殺さないように隔壁を縫いつけてボックス構造にしてやらないといけない。そこにはNo-See-Umのメッシュ素材を15cm幅に切りそろえて上下の生地に縫いつけた。室房は全部で11。
制作に使ったミシンは職業用のヌーベルクチュールだけれども、家庭用でも十分制作は可能だと思う。
首周りのコードはバンジーコード。伸縮するので出入りが楽。両端に縫止めしてセンターから引っ張るようにした。
夜でも目立つように赤色のスナップボタンで固定。
フットボックス底面は方形。ここにもきちんとダウンを封入。
裁断はさほど苦もなく、足側に向かって尻すぼみの形状にして、表裏面とも同じ形にカット。
縫製も思ったよりも楽だった。フットボックスを縫い付けるところだけが少し頭を悩ませたけれど。
一番苦労したのがダウンの封入。ダウンが飛び散ってもいいようにテントを張ってその中で作業したのだけれども、各ボックスにどれだけ詰め込むか本当なら計量しながらやりたいところだけれども、そんな悠長なことしてる余裕なし。まさに戦場。とにかくダウンを掴んで放りこんで、あとから全体のバランスを見て調整して、テープで仮止めしてから縫いつけた。
あとから知ったけれども、ダウンを濡らして固めて封入するという方法もあるらしい。頭は使いようだね。
↑採寸取りに借りたNunatak Arc Expedition(Large)(左)との比較。自作キルトのほうがダウン量は+27gほど多いけれども、見た目以上にムチムチ感は優っている。トータル重量は-6g差なのでほぼ同一。
↑GoLite Adrenaline 0°(上)との比較。足回りは同じくらいのロフトがあるが、上半身は自作キルトのほうが完全に分厚い。
↑Montbell U.L.SS #1(左)との比較。これはもう勝負にならない。
ダウン素材としては自称900FPというのも納得できる、というか、信じてみようという気になる素晴らしさ。これだけの素材を個人で少ロットで調達できるのならもう既製品を購入する理由はどこにもなく、制作もさほど難しくもなく、これからは最上最軽量のスリーピングバッグを入手しようとするなら自作するのが正道、と言い切ってしまってよいのでは。
飛び散ったダウンを回収。掃除が大変…
Aromax C.F. System Stove
冬も終わりが近づき焦りつつも、天候思わしくないとの予報を受けてインドアで過ごす週末です。かねて懸案のアルコールストーブ周りの整備を行った。
最初に断っておくと、僕にとってのアルコールストーブは軽量ハイクのための道具ではなく、まったりキャンプ用の道具じゃないかと最近思うようになってきた。無雪期ハイクにはもはやストーブ、クッカー、燃料、風防、五徳その他もろもろの類を持ち歩く意味を僕は見失ってしまっている。水と固形食があれば何も問題ないしむしろ軽量化するくらいならそれ自体持たなきゃいいじゃない?と思うのだがどうだろう? というわけで自作ストーブを作るなら、まったりキャンプ用途である程度の料理を作れてそれなりのクッカーサイズに対応でき、それでいて軽く安定感があり手軽に扱えるもの、という狙いであれこれ試作しては炎上を繰り返しようやっとカタチになってきた。
いまや定番となったカーボンフェルトを使ったAromaxストーブ。それに対応した五徳風防を作ってみた。
Aromax C.F. System Stove 45g
ストーブ本体は、Aromaxよりも若干経の太いASAHIスーパードライスリムボトルにAromaxの飲み口を接着した。五徳を装着した際に安定度を高める狙い。
底面の熱対策のゴムパッキンに加えて、燃焼中でも手で持てるようシリコンチューブを一本巻きつけてある。
五徳風防をねじ込んで装着。Aromaxの蓋のネジ部分を埋め込んでいるのでがっちりハマる。
カーボンフェルトは一枚巻き。世の中には”ぐるぐるに巻き込む派“と”一枚派”があって熾烈な主導権争いを繰り広げているとか(笑)。ぐるぐる派は、万一ストーブが倒れても中身がこぼれないのがいいし、燃焼効率もいいっぽいという説で最近は主流みたいですが、わりと重くなるのがどうかなと思ったりして、お米を炊くときなんかアルコールの残量が確認できないと途中で消えてたりとか悲しいなと思うので僕は”一枚派”です。(あぁヤバイ、こんな発言したら消される…)
空気孔から点火可能。
こんな感じ。排出口はV字カット型にして、クッカーを置いても程よく燃焼を維持できる程度に調整。素材は350mlのアルミ缶の内側にスチール缶を重ねているので強度的にも問題ない。
安定感はとてもよろしい。ストーブ本体の経を太くしてゴムパッキンをつけて重心を下げたのと、五徳もねじ込み式で完全に固定したのが効いている。
今まではT’s Stove五徳を使っていたけれども、少し大きめのクッカーで米を炊いたりしてるとずり落ちたりすることがあったので、安定感のある五徳が欲しかった。
ほら、五徳と風防を一体化させたうえで燃焼中にこうやって手で持って移動できる手軽さ。この機能が今回の開発要件。右手でクッカーを持って、左手でストーブを持てば、さっと移動できる。
さて、弱火アダプタを装着します。
これで米炊きもうまくできるかな…?
消火するときは蓋をそのまま落とします。持ち手をつけたのでここに紐でもつけたらいいかもしれない。
収納したところ。ぴったりハマリます。
ストーブ本体に巻いたシリコンチューブの太さが350ml缶の五徳風防にちょうどハマるので、ちゃんとがっちり固定されている。
[失敗余談]
最初は空気の流入量を操作して火力調節しようと思ったんだけど失敗でした。
こういう感じに弁を上げ下げして調節できたらいいなと…
でも空気流入口をふさぐと、五徳風防自体に不完全燃焼のガスが溜まってそれ自体ストーブ化して風防の上で燃え上がってました…うーんうまくいかんもんだなぁ。
Aromax CF Stove 改
作りました。mt_pandaさんのところの真似っこです。
黒いカーボンフェルト生地がアルコールを吸い上げてくれるので、火付きもよく、火力もそこそこあり、構造もいたってシンプルに作れます。
よくプライヤーでつかむのでトランギアみたいに輪っかをつけました。あと、ふたにはプラ製の持ち手をくっつけ、底にはゴムのパッキンをつけて底面からテーブル類が焦げないようにしました。
重量は30gです。空き缶ストーブにしては重い方、かな?
でもアルコール入れたまま持ち歩けるし、ズボラーにはいい感じ。
燃焼試験とか、めんどっちいのでやってないです。
めらーり!
ワンダースティック Roadmanモデル
ワンダースティックを増産しました。
左が「tori-birdハセツネ参戦記念モデル」、右が「Roadmanモデル」。
toriモデルは前作のグリップをコルクからEVAに変えただけ。toriさんには利尻トレイルで前作をがっつり試用してもらったんだけれども、あそこをこう改良しろとか、ここをこう変えろとか、そういうフィードバックがまったくないのはテスターとしていかがなものかw。なのでほとんどスペック上の変更はなし。
Roadmanモデルは全長を10cm伸ばした120cmに25cmのロンググリップを備えることによって持ち手の高さを自由に変えられるようにした。ツインシスターズを張るためにこの長さが必要だったという苦肉の策が、逆に使い勝手はかなりよい。ガイラインは畜光ロープを使ったので夜間でも目立ったりするのだろうか…?
以下、スペック。
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「tori-birdハセツネ参戦記念モデル」
素材: カーボン、グリップはEVA
重量: 60g/本
長さ: 110cm
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「Roadmanモデル」
素材: カーボン、グリップはEVA
重量: 86g/本
長さ: 120cm (ロンググリップ25cm)
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毎度おなじみの調節機構。ガイラインを引っ張れば固定できます。
ファン垂涎必死、あの憧れのROADMANの刻印が! “PRADA”みたいでカコイイ。
上から透明テープを巻き付けて剥がれ対策しようかとおもいましたけど、美しさを損なうのでこのままにしました。たぶんお山で剥がれてくるかと思いますがそういうものということで…
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あぁ、心配しないでください、toriモデルにも刻印しときましたよ。
でもなんか、あまりカコヨクない…?
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本家のランブラーさんのRunning-StickがBE-PALで紹介されてましたね!
ワンダースティック カーボン110 超軽量64g!
もうこの名前が定着してしまったのでオリジナルブランド名にしました。和名だと”彷徨える杖”。縁起悪いですw
品名: 「ワンダースティック カーボン110」
重量: 64g/本
長さ: 110cm
素材: カーボン0.51.0?mm厚、コルクグリップ
自作ストックはここらあたりが先行。えぇ完全にインスパイア(笑)されてます。
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用途としてはやはりラン主体で。下りでも制動力をあまり必要としないランならバランス確保や方向転換のサポートとしてこの手のストックは有効かと。がっつり荷重をかけたり制動力を効かせるような登山用途では耐久性が足りずあまりオススメできません。
推進力もあまり期待はできません。ストック自体の重量がめっぽう軽いので慣性が働かず、腕を振る力を地面に伝えるには不向きです。
悪路の転倒防止にサポートギアが欲しいランナー、とにかく徹底した軽量志向でシェルター用のポールとしても兼用したいハイカーの方にオススメです。
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折り畳むとこんな状態。3sectionです。テントポールと同じで中央に力がかかってもいいように奇数節がいいと思うんですが、マスプロダクトでは4sectionが多いのはどうしてでしょうね?
グリップはフライロッド用のコルクグリップを使用。握り感といい軽さといい文句なし。
ゴムパーツでガイラインをロックする機構を採用することで、この手のストックのなかでは珍しく手の平をグリップ上面にのせることができます。輪っかにしたガイラインを腕に回すことで手を離しても落ちません。
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先端の石突きはLEKIのフレックスチップなのでバスケット等を装着することも可能。
ある程度折れやすいことを想定して、グリップも石突きも継ぎ目部品も接着剤を極力使わず組み立てています。なのでメインポールが折れてもその部分を交換するだけでよし。メンテナンス性は上々。
各節目にはアルミのスペーサーをつけました。いや、見た目をよくするためだけです、ハイ…
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似たような軽量ストックのFoxtailを3度折ったという希有な経験を持つ私ですが、折れるパターンというのはだいたい分っていて、たいていは継ぎ目のパーツにテコの力が作用してポールの内側から破断してしまうことが多いと思います。なので継ぎ目パーツはあまり長くないほうがよく、それでいて短すぎてもいけないのですが、まぁ3cm前後出しておくくらいがいいんじゃないかと考えています。
あとはなるべく継ぎ目パーツとメインポールを密着させつつ、とはいえ組み立て・解体はスムーズにできないといけないので、そのあたりの微調整も勘所になるかと。今回は0.05mm厚の極薄ポリエステルテープ(高かった泣)を巻いて調整。
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メインポール素材はウェットカーボン24g/m。東急ハンズで購入。
当初は17g/mのドライカーボンにしようと思ったんですけど某サイトで発注してみたら品切れとのこと。かわりに24g/mのドライカーボンを勧めてくれてそれを購入したんですけど、いざ制作しようとしたら内径が微妙に小さくて継ぎパーツをねじ込んでたら内側からヒビが入ってしまうという事態に。
どうもドライカーボンというのは硬度は高いのだろうけれども柔軟性がなく、許容量を越える力がかかると一気に破断してしまうのではないかという疑念が沸々として方針転換。どうしたものかと東急ハンズをうろついてたら実は24g/mのウェットカーボンを売っていたことが判明して即購入しました。
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材料費(端数は忘れた)
– カーボンポール: 東急ハンズ 外径1.0cm 0.5mm厚 1.0m 2,500円 x 2 = 5,000円
– カーボンポール(継ぎ目用): ウインドラブ 外径8.7mm 0.5mm厚 6.0cm 250円 x 6 = 1,500円
– グリップ: マタギフライロッド用コルクグリップ 2,500円 x 2 = 5,000円
– 石突き: LEKIフレックスチップM 950円 x 2 = 1,900円
– ガイライン: ダイニーマガイライン2.0mm 130円/m x 4.0m =520円
合計: 13,920円(税抜き、送料抜き)
(※その他、値段忘れたものは除く: アルミスペーサー用ポール、ガイラインロック用ゴムパーツx4、ゴムチューブ、透明チューブ、マスキングテープ、0.05mm厚ポリエステルテープ)
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えぇ材料費だけでもバカにならないです。安い素材探せばもうちょっと抑えられるかもしれませんが、これに工具とかも必要ですし。それにたぶん使ってるうちに折れますから修繕費も考えるとけっこうコストかかります。それでも作りたいですか?相当な好き者ですねフフフ…
利尻トレイルでがっつりテストしてくれる人柱な方がいるらしいですよ
“Roadmanモデル”が開発されるとかいうウワサも…ファンには垂涎ものですね
46gの超軽量マット「U.L.フィッシュボーンマットII SP」
驚異の世界最小最軽量スリーピングマット「U.L.フィッシュボーンマット」シリーズに新作が登場しました!
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「U.L.フィッシュボーンマットII SP」
長さ: 75cm
重量: 46g
初号機テストの結果をうけて、唯一最大の弱点として指摘された”展開・収納時の煩雑さ”を改善。両端にもコードを通すことで折れ曲がるサイド部の各骨がパタパタ振れないように固定しました。
骨は前作の12本から10本へと減量し、その分くびれ部の間隔を長めにすることで、全体の長さは70cmから75cmへと若干増。横幅も微妙に広くなっています。
写真ではよく分りませんが、連結コードの色は従来のブラックからパープル色に変更しています。
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最大の特徴は緑とグレー色の骨が交互に配置された”Striped Pantograph機構”。独特の折りたたみ方をします。
緑色の山を持ち上げて、
このようにたたんで、
それからグレーの山を持ち上げて、
こうなります。
あとはパタパタとたたんで、このサイズ。
前作では折り畳んだ状態で凹凸の噛み合わせがきちんと合わなかったのでマットに変なクセがついてしまう傾向がありましたが、本作は”Striped Pantograph機構”を導入することによりたたんだ状態で凹凸がきちんと揃うようになりました。これでさらにコンパクトに!
展開するときは、両端を持ってパタパタ適当に振れば自然に展開できます。
デザイン的にも洗練され、唯一の欠点も克服してしまったフィッシュボーンマット。もはや無敵です。
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で、いくつ作ればいいんですか?
ハンギング・コーヒードリッパー素案
これも、アイデアメモ。
・ひとつの鍋orカップだけで美味しいコーヒーを入れたい。
・鍋とカップがひとつずつあるけれど、やはり美味しく入れるには一度に複数杯分をドリップしたい。
・ケトルポットみたいに注ぎ口がなくても、どばどばにならず、滴をやさしく置くようにドリップしたい。
・パーコレータはやだ。
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“ハンギング・コーヒードリッパー”
鍋で沸かしたお湯をウォーターストレージに上からじゃーっと流し込んで、鍋はそのまま下においてサーバにする。
鍋でも、カップでも、 サーモスでも、容器サイズの制約なくサーバにできる。
ストレージとドリッパーを合わせて40gくらいで。
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コーヒーは、いろいろと道具が必要なので重くなって難儀だ。
他になんかよいソリューションはあるんですかね?
“フロアレス・ビビィ”という着想
シェルターもフロアレスだったり、スリーピングバッグも背面を省いてキルトにしたりするんだったら、ビビィもフロアレスにしてもいいんじゃないの?いや、作りませんけどね。
このシステムで、タープも省いて、雨風を凌ぐ。こういうのないですかね?背面にゴムひもくらいは通してもいい。もちろんフットプリントなし。
キューベン・ファイバー製で50gくらいに。あぁそうです、軽ければなんでもいいんですよっ!
・・・ではなくて、せっかくキルトで手足が自由になったのに、ビビィとかシュラフカバーを使うとやっぱり拘束されてしまうのが辛いんですよね。重いし。
ようするにキルトカバー的なものでいいんだけど。また切り刻みますか、E-Bivyあたりを・・・
あ、ポンチョにも変形できたらいいねぇ。いや、むしろ防水キルトを作る方が早いとか噂も・・・
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風邪、ようやく完治!
わずか40gの世界最軽量スリーピングマット「U.L.フィッシュボーンマットEVA」登場
前回試作のリッジレスト版は見事に50gという軽量化を達成したのだが、いかんせん収納がかさばってしまうのが欠点であった。ザックの隙間に押し込めばコンパクトにならないこともないんだけれども、紐とか端っこが引っかかって取り出しにくかったり。
そうこうしているうちにemon師匠から推奨いただいたEVAフォームマットが届いてこちらをさっそく裁断。これを仕上げて正式バージョンとすることにした。
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U.L.フィッシュボーンマットEVA
見た目が魚の骨みたいにスカスカなのでこの名前に。
4cm幅に裁断したEVAの”骨”を12本、これらを2cm間隔でつなぎあわせた。紐はストラップなどに使われる細いナイロンコード。骨間は長さ2cmのビニールカバーを用いて間隔を維持。さらに頭部には持ち手がついている。
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■スペック
サイズ: 38cm x 70cm
重量: 40g
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最大の特徴はこの圧倒的な軽量性!従来の規格品の最軽量モデルから半減以下を達成。
- U.L.フィッシュボーンマットEVA 40g
- Gossamer Gear NightLight SleepingPad Torso 99g
まさに破壊的イノベーション(笑)。「アウトドアギアの重量は18ヶ月で半分になるべき」、という新たなムーアの法則を提出しますよ。
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断熱性に関しては、隙間があるためそのままでは地面の冷気を吸い上げてしまうが、逆にシュラフの背面やインナーダウンJKTなどのインサレーションを活かすことによってお好みで調整が可能となる。他の空気膨張式のマットはウレタン部に穴をあけたものも多いが、場合によってはそれらよりも有利になることもありえるのではなかろうか。
EVAの骨の部分はとても暖かく感じる。
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長さは、肩からお尻をジャストで収めてくれる範囲のみ。ちなみに自分の身長は173cm。
寝心地は、悪くもなく、良くもなく(笑)。とはいえ眠れないようなことはまったくなく、むしろこのEVAの等間隔な配置が適度な寝心地の良さを実現してくれているような気もする。真っ平らなEVAのUber Microよりかは寝心地はよいはずと確信しているがどうだろうか?ちなみに寝返りは打てない。Uber Liteで寝たことがある人なら感覚が分かるだろう。
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稼動部を折り畳むことでこのようにコンパクトに収納が可能!これならばネオエアーSにも劣らない収納性ではなかろうか。
このサイズならシュライクにも問題なく収納できるかもしれない。。。カラビナでぶら下げてもいいだろう。軽いから走っていても重心が振られるということもない。
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ただし折り畳んだり展開するときは多少の手間がかかる。この点ではリッジレスト試作版のほうがぶらさげるだけで展開でき、まるめるだけで収納できる点で優位だった。
↓収納時を比べたところ。
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利用シーンとしては、夏期の低地トレイルランニング用に、金曜の夜に終電で現地入りしてそのまま登山口でタープ泊、朝走って午前中のうちに切り上げて土曜の午後から家族サービス、という忙しい都会のビジネスパーソン(早起きできない人)向けに開発された、”スリープ&ラン”スタイルなこのモデル。
世界最軽量!
ネオエアーS並みのコンパクトさ!
調整可能な断熱性!
凹凸を活かした適度な寝心地!
クローズドセルによる耐久性!
もはや完璧(笑)ですね。
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“ぜひとも寝てみたい”、”うちのネオエアーSと交換してくれ”、などという問合せ多数につき、人柱テスターを抽選で選定しますよ。過去にコメントくれた方、これからコメントされる方のなかからランダムに強制送付するので、当たった方はネオエアーSを送り返してください(笑)
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